ミロ

大好きな画家の話!

ミロの絵は、形をバカにしたようなスタイルが素敵だと思います。こう、形象をコケにして、これを超越しようとしてる感じがヤバイと思うのです。

絵は視覚を根拠にしてる。
どうしたって、だいたいは、「目なくして絵なし」だもん。この前提で絵が存在する以上、絵が形象を超えることは不可能なのに、ミロは形をコケにしているっぽく見せるので、すっごい頼もしいというか、おもしろい!

形象ってのは凶暴だと思いますよ。だって、形象は僕たちを容易に拘束するから。
ある意味、形象は、僕達の行動範囲を広めてくれると同時に、明らかに、狭めるんすよ。丸いものは、どうあがいても視覚的に丸いのであって、こう、明らかに丸いものを、「いや、これは丸ではなく三角である」って言い張ることは、なかなか難しい。だからこそ、逆に言い張りたくなるんだけど。
「視覚的な丸さの説得力」って、色んな中継点をすっ飛ばして、根こそぎ共通認識を奪ってくからヤバイんですよ。それくらい、形象は凶暴で横暴じゃないですか。
だけど、ミロは、そういう凶暴で横暴な形象を、撫でて、なつかせて、(実際には不可能でも)凌駕しようとする志向性をアピールしてくるというか。ライオンを手なずけるノリというか。

初めてミロの絵を自分なりに考えた時、「形って、たいしたことないよね」的な思想を見せ付けられた気がして、それまで持っていた形象に対する信頼をぶった切られた気分になりました。爽快感と喪失感の同時二発テロ。

絵の話をするのはとても好きなのですが、どうしても真面目気味になってしまうので、気恥ずかしいのが難点です。